福井県年縞博物館(三方上中郡)
年代測定の世界標準のものさし「年縞(ねんこう)」を展示する「福井県年縞博物館」が9月15日(土)にオープンしました!
特別館長には県文化顧問でノンフィクション作家の山根一眞氏が就任されています!
名勝「三方五湖」の一つ「水月湖」の湖底には、世界でも唯一7万年分もの縞模様の地層「年縞」が堆積しています。
博物館では、45mの実物展示のほか、体験しながら学ぶことができるコーナーも充実しています。
カフェも併設しており、湖を眺めながらゆったりとした時間を過ごすことができます
展示概要
常設展
年縞シアター
約180度正面スクリーンと床面への美しい映像で、水月湖年縞からわかることを紹介します。
水月湖に潜っていくような体験ができます。
水月湖年縞7万年ギャラリー
水月湖から掘り出した年縞の実物を圧巻の45m、ステンドグラスにして展示します。
現在から過去へ、年縞ステンドグラスとともに7万年の時をさかのぼります。
水月湖年縞でたどる人類と環境
現生人類(ホモ・サピエンス)は少なくとも20万年前にアフリカで誕生し、約7万年前から世界各地へと生存の場を広げました。
水月湖の7万年の「年縞」は、その歴史と一致します。
水月湖年縞を歴史の「ものさし」の目盛りとして、過去7万年間に人類が経験したできごとをたどります。
発見 ─水月湖の秘密─
7万年分もの年縞が、1か所で連続している場所は、世界では水月湖以外には発見されていません。
これが、水月湖が「奇跡の湖」と呼ばれる所以です。
水月湖ならではの地形や地質、生物のありようなどいくつもの偶然がその奇跡を生んでいます。
ここではその仕組みを紹介します。
水中ドローン撮影による、湖底での年縞形成過程の映像も上映しています。
較正 ─より正確な年代決定─
水月湖年縞が世界の標準ものさしとなった軌跡を紹介します。炭素14年代測定の原理や、正確な年代決定をするための水月湖の役割などを解説します。
また、土器や化石頭骨等の出土品(複製)の年代測定を、スマート端末を使って体験することができます。
基準 ─「はかる」ということ─
水月湖の年縞が年代を「正確にはかる」道をひらいたように、人類は「正確なはかり」「共通のきまり」を手にする努力を続けてきました。
ここでは「はかる」ことの意義や歴史を紹介するとともに、秦の始皇帝が量の基準とした枡(複製)や、豊臣秀吉が天下を統一した際に定めた枡、はかりの基準となる原器(複製)など様々なはかりを展示しています。
また、氷や樹木など年縞以外の「年代のものさし」を展示しています。
記録 ─世界の年縞─
年縞が重要なのは、地質年代の「ものさし」としてだけではありません。
年縞は同時に、過去の「できごと」を1年ごとに記録しています。
つまり年縞は、最高の「記録計」でもあります。
ここでは、世界や日本各地の様々な年縞と、そこからわかる過去の「できごと」について紹介します。
恐竜の時代「白亜紀」の年縞と化石も展示しています。
再現 ─大昔の景色─
水月湖の研究成果を通して、古気候学について学びます。
水月湖の年縞に含まれる花粉を調べることにより、それぞれの時代で水月湖周辺にどんな植物が生えていたかがわかり、その時代の景色や気候を知ることができます。
7万年前から現在までの風景を水月湖年縞から再現します。
展望 ─年縞と私たちのこれから─
年縞からわかるこれまでの地球の気候変動の歴史、気候変動の仕組みを解説し、福井県で実際に見られる気候の変化や対応策などを紹介しています。
また、これからの年縞研究に期待される役割について紹介します。
場所
・福井県年縞博物館
・福井県三方上中郡若狭町鳥浜122-12-1(縄文ロマンパーク内)
開館時間
・09:00 ~ 17:00
( 入館は16:30まで )
休館日
・毎週火曜、年末年始(12/29~1/2)
※火曜日が休日の場合は翌日休館
※ GW期間および夏休み期間は休まず開館
※施設メンテナンス等のため臨時休館することがあります。
観覧料金
・一般 :500円
・小中高生:200円
※若狭三方縄文博物館共通券は3割引き
お問合せ先
・福井県安全環境部自然環境課
・0776-20-0305